あなたが今飲んでいるそのお茶。どのように作られているかご存知ですか?
お茶が収穫されてから、市場に出回るまでには数多くの工程があります。
熱を加えて酵素を失活させ、水分を飛ばし、揉みながら葉を針状に整え、葉・茎・粉に選別し・・・
このように、あなたの手にお茶が届くまでには、日本ならではのきめ細やかな手順が必要なのです。
だからこそ、日本のお茶は繊細で奥深い味わいなのです。
今回は、一般的に飲まれている煎茶に焦点を絞り収穫から荒茶を作るまで、荒茶から製品に加工するまでに分けて解説していきます。
収穫から荒茶を作るまで
蒸熱(蒸す)
蒸熱は、茶葉を蒸すことで酵素の活性を失活させる工程です。緑茶は不発酵茶とも呼ばれ、収穫後にすぐ熱を加えるのが特徴的です。
ある程度発酵させたお茶をウーロン茶(半発酵茶)、完全に発酵させたお茶を紅茶(発酵茶)といいます。
蒸す時間は茶葉の状態によって異なりますが、通常は30~40秒です。静岡茶は【深蒸し】が多く、蒸し時間が長いのが特徴的です。
葉打ち
葉の色や香りを良くするため、そして次の粗揉工程を少なくするため、乾燥した熱風を吹き当てます。
粗揉(葉振るい)
葉打ちが終わった茶葉を、熱風の中で攪拌しながら揉みます。水分を均一に飛ばす工程です。
粗揉専用の機械は、手揉みのように葉に圧力を加えることができます。
揉捻(回転揉み)
この工程だけは、熱を加えずに圧力をかけます。
茎は葉に比べて乾燥させにくいので、圧力を加えることで均一に乾燥させやすくします。
また、茶葉の繊維を壊し、お茶を淹れる際、成分の抽出を良くします。
中揉(揉み切り)
まだまだ水分が多いので、再び熱風をあてなから揉みます。
葉を握り、離した後に自然と塊がほどける程度まで乾燥させます。
精揉(転繰揉み・こくり)
精揉によって、普段よく見るお茶の形になります。
針状に形を整えるため、【だく】と呼ばれる洗濯板のような弧状の板の上で一定方向に揉みます。
この段階で水分量は10%くらいです。
乾燥
最後に葉を乾燥機内に並べ、熱風をあてます。
ここまでの工程で荒茶が完成です。
荒茶には茎、不ぞろいな葉、粉が混在しており、水分量が5%と長期保存にも適していません。
実際に流通させるには、仕上げ加工が必要となります。
荒茶から製品に加工するまで
乾燥
あとの工程を効率化するために、乾燥させます。細かい茶は焦げやすいので、この時点でふるい分けします。
選別・整形
次に行う火入れのため、茶葉を選別していきます。
多きさや重さで分けた茶葉を、切断したりして整形します。
火入れ
選別された茶葉は、それぞれに適した温度で火入れを行います。
- 低温:香りを活かす新茶や上級茶
- 高温:香ばしさを活かす中級茶や番茶
茶葉を選別する前に火入れをする場合もあり、先火方式といいます。
合組(ブレンド)
火入れの終わった本茶と芽茶を混合して、販売できるお茶の完成です。
まとめ
以上、荒茶とは?|お茶の製造工程を初心者にもわかりやすく解説でした!
お茶の製造工程は、まず荒茶を作ります。その後、選別、火入れの加工を行って、やっと私たちが普段手に取るお茶になります。
香りを活かすために、火入れの温度を変えるなど日本人らしい丁寧な作り方です。
製造過程を知っていれば、普段飲むお茶の見方も変わってきますね(^^♪