あなたは美味しい緑茶の淹れ方をご存知ですか?
『熱湯しか使ったことがない』
『ペットボトルのお茶ばかり』
もったいないです。非常にモッタイナイ。緑茶は淹れ方によって、味が大きく変化するのです。
どこにポイントがあるかさえ理解していれば、同じ茶葉でも簡単に様々な味を作り出すことができます。
- 渋みが欲しい
- 苦みが欲しい
- うま味が欲しい
- スッキリとさせたい
- 来客用
- 夏用
一言で緑茶といっても、これだけのシーン別に淹れ分けることが可能なのです。
今回は、緑茶の科学に加え、種類別淹れ方手順も紹介していきます。これであなたも緑茶マイスター!
緑茶に適した水の選び方
最初は水の準備です。淹れたお茶の組成は、99.7%がお湯、0.3%が抽出成分です。これを知っていただくだけでも、いかに水が重要な要素であるか判ります。
水は硬度によって分類され、軟水と硬水の2種類があります。結論を言ってしまうと、緑茶に適した水は【軟水】です。
日本の水はほとんどが軟水なので、あまり気にする必要はありません。しかし、水道水は塩素が入っていますので、一度沸騰させた方が臭いを消すことができます。
外国産のミネラルウォーターは硬水の場合が多いので、緑茶を淹れるには適していません。
確実に美味しい水を使うには、ウォーターサーバーが適しています。近年、自然災害も多い日本です。防災の意味も込めて、自宅に1つあると重宝します。
ウォーターサーバーのボトルは、1本あたり8リットルほどの水が入っています。災害時、1人当たり1本あれば、3日はしのげるでしょう。
今のウォーターサーバはサーバーレンタル料、メンテナンス料、配送料が無料は当たり前です。普段使いとして利用するのも一つの方法です。
温度による抽出成分の違い
緑茶の抽出成分は、主に3種類あります。
- テアニン:うま味
- カテキン:渋み
- カフェイン:苦み
テアニン:うま味
うま味成分のテアニンは、アミノ酸の一種です。テアニンは茶の木の根っこで合成され、新芽に移動します。その後、日光によってカテキンへと変化するのです。
テアニンは水温が低い時によく抽出されます。なので、うま味を楽しみたい場合は、60℃くらいのお湯で淹れるのが効果的です。
カテキン:渋み
渋み成分のカテキンは、ポリフェノールの一種です。緑茶を飲んだ時の爽快感はカテキンによるものです。
カテキンは水温が高い時によく抽出されます。なので、渋みを楽しみたい場合は、70℃くらいお湯で淹れるのが効果的です。
カフェイン:苦み
苦み成分のカフェインは、コーヒーやカカオなど様々な植物に含まれる成分です。苦みにより、覚醒、興奮、眠気覚ましの効果が期待できます。
緑茶が日本に持ち込まれた本当の理由も、カフェインによる覚醒作用です。当時は僧侶が修行の合間に緑茶を飲んでいました。
カフェインは水温が高い時によく抽出されます。なので、苦みを楽しみたい場合は、80℃くらいお湯で淹れるのが効果的です。
関連記事:緑茶の3大成分|カテキン・テアニン・カフェインの効能・効果
温度計なしでの温度の目安
続いて、必要な温度のお湯の作り方です。お湯の温度管理には3つの茶器を使います。
- 急須
- 湯冷まし
- 茶碗
急須と茶碗は見たことがあると思いますが、湯冷ましは知らない方も多いはずです。お湯を冷ますために、汲み置く茶器です。
季節や茶器の材質にもよりますが、器に移すごとにお湯の温度は10℃下がります。
なので、80℃のお湯を作るには・・・
- 熱湯を茶碗に注ぐ⇒90℃
- 茶碗から急須に注ぐ⇒80℃
70℃のお湯を作るには・・・
- 熱湯を湯冷ましに注ぐ⇒90℃
- 湯冷ましから茶碗に注ぐ⇒80℃
- 茶碗から急須に注ぐ⇒70℃
このように、茶器を介することで温度を調節します。
急須の前に、茶碗を温めるのがポイントです。
適切な抽出時間
抽出時間、すなわち茶葉とお湯を接触させている時間です。
うま味成分が抽出されるのは2分がピークとなり、それ以上待っても抽出量は変わりません。
渋み成分は2分を超えても抽出され続けるので、うま味を優先したい場合は2分まで、渋みを優先したい場合は2分以上の蒸らしが必要となります。
緑茶の種類別|淹れ方手順
さて、これまでの点をふまえ、簡単な緑茶の淹れ方を紹介します。それぞれ1人前の分量となります。
玉露
玉露はうま味を楽しむお茶です。うま味の抽出ポイントは低温で2分です。
- 茶葉:ティースプーン1杯
- お湯:30mL
- 茶器を利用した移し替えで、お湯の温度を70℃にする
- 茶葉を入れた急須に、70℃のお湯を注いで60℃にする
- 2分間抽出させる
- 最後の一滴まで茶碗に注ぐ
関連記事:玉露の入れ方は温度が決め手|煎茶の水出しでも旨味たっぷり!
煎茶
煎茶はお湯の温度と抽出時間により、うま味・渋みを選ぶことができます。うま味の場合は低温で2分、渋みの場合は高温で1分です。
- 茶葉:ティースプーン1杯
- お湯:70mL
うま味重視
- 茶器を利用した移し替えで、お湯の温度を80℃にする
- 茶葉を入れた急須に、80℃のお湯を注いで70℃にする
- 2分間抽出させる
- 最後の一滴まで茶碗に注ぐ
渋み重視
- 茶碗にお湯を注いで温めておく
- 茶葉を入れた急須に、熱湯を注いで90℃にする
- 1分間抽出させる
- 最後の一滴まで茶碗に注ぐ
茶葉の量は増やせば増やすだけ、うま味が増します。煎茶でも茶葉を増やすと、玉露に近い味を楽しむことができます。
水だし
夏の暑い日は、冷たいお茶を飲みたいですよね。来客にも熱いお茶を出すより、喜ばれます。そんな時は、冷水で抽出しましょう。
冷水なので、うま味成分の抽出率が高く、渋みは少ないです。お客様ならうま味重視の緑茶が喜ばれることでしょう。
- 多めの茶葉を急須に入れる
- 冷水を注いで15分間抽出させる
たったこれだけで、うま味の強い冷たい緑茶の出来上がりです。
ほうじ茶
ほうじ茶は香りが命です。熱湯でサッと淹れて、香りを飛ばさないようにしましょう。
- 茶葉:ティースプーン1杯
- お湯:100mL
- 茶葉を入れた急須に、熱湯を注ぐ
- 30秒間抽出させる
- 最後の一滴まで茶碗に注ぐ
抹茶
抹茶は時間がたつにつれ酸化されるので、急いで飲みましょう。
- 抹茶:ティースプーン軽く1杯
- お湯:50mL
- だまになっている抹茶をふるいにかける
- 茶碗に抹茶を入れ、熱湯を注ぐ
- 茶筅で手早く混ぜる
まとめ
以上、緑茶の温度の測り方|美味しいお茶を淹れてみようについての解説でした!
緑茶は科学といっても過言ではないくらい、お湯の温度と抽出時間に左右される飲み物です。
ちょっとしたひと手間で、うま味と渋みを味わうことが可能なのです。これさえ知っていれば、どんな場面のお茶でも美味しく淹れることができるようになります。
『温度の調節が難しそう・・』
そんな方は、料理用の温度計を使いましょう。他の料理も利用できるので、家に1個あって困ることはありません。