昔から疑問だったのですが、保温性のある水筒に温かいお茶(煎茶)を入れておくと、色や味が変わってしまいますよね。これはなぜでしょう?また、温かいまま、おいしく保温できる方法があればぜひ教えてください。
引用:教えて!goo
誰もが疑問に思っている『お茶の変色』です。
淹れた時は鮮やかな緑色をしている緑茶。香りもよく、飲むとスッキリしますよね。
でも、少し経つと段々と色が茶色くなって、風味も落ちてしまいます。昔からある『お茶あるある』です。不思議ですよね。
だって、ペットボトルのお茶は色が変わらないじゃないですか!
ペットボトルの賞味期限は、数ヶ月はあります。ですが、色が茶色くなることはないですよね。
そこにはある秘密が・・・
もし、その秘密を知れば、自宅のお茶も鮮やかな緑を保てるのでしょうか?
今回は、お茶の変色を防ぐ方法について解説していきます。
お茶の緑色はクロロフィル
通常の緑茶、いわゆる煎茶は太陽の光を浴びて育った茶葉から作ります。
その緑色の色素の元になっているのが、クロロフィル(葉緑素)です。
収穫後の茶葉は酵素のチカラによって、どんどん茶色く変色していきます。緑茶を作るには、酵素の活性を失活させる必要があります。
収穫後すぐに蒸すことで、酵素の働きを止めるます。すると、クロロフィルが分解されず、鮮やかな緑色のお茶となるのです。
緑の緑茶は酸化によって茶色くなる
収穫後の茶葉に熱を加えないと、酵素のチカラによってどんどん酸化反応が進んでいきます。
つまり、緑茶の変色は酸化が原因です。
以外かもしれませんが、茶葉を半分酸化させたものがウーロン茶、完全に酸化させたものが紅茶となります。
緑茶、ウーロン茶、紅茶は、全て同じ茶葉からできているのです。
この酸化現象は、緑茶を入れた後にも発生します。淹れた直後は緑鮮やかなお茶が変色してしまうのは、お茶の酸化されやすさが原因でした。
お茶の変色を防ぐ方法
お茶が変色する理由が分かりましたね。つまり、酸化を防ぐことができれば、緑鮮やかなお茶の色を保つことができます。
アスコルビン酸(ビタミンC)を添加する
まずは、アスコルビン酸(ビタミンC)を加えるという方法です。
これは逆転の発想とでもいったらいいでしょうか・・・
お茶よりも酸化されやすいアスコルビン酸を加えることで、そちらが酸化されます。
つまり、お茶は酸化されずに無傷というわけです。
酸素を減らして窒素を充填する
お茶の変色には『酸素』も大きく関わっています。
お茶に含まれるカテキンと酸素が酸化反応を起こすのです。
それによってキレイだった緑色は、茶色へと変化していきます。
そのため、お茶に触れる空間部分を酸素⇒窒素に置き換えてやれば変色を防ぐことができます。
世界初の缶入りお茶は意外と最近発売されていた
実は、世界で初めて缶入りの緑茶が発売されたのは1,985年でした。意外と最近の話なのです。
緑茶の変色を防ぐのは、それだけ難しかったようです。
先ほど記載した通り、緑茶にアスコルビン酸を添加し、缶の上部空間に窒素を封入することで変色を防ぐことに成功しました。
一般家庭でお茶の変色を防ぐことはできるのか?
ハッキリ申しまして・・・
出来ません!
アスコルビン酸はビタミンCなので、手に入るかもしれません。しかし、添加量は不明です。
市販されているペットボトルのお茶は、人間には味が分からないギリギリの量を加えています。
とてもじゃありませんが、素人仕事で行うことはできないでしょう。
そして、窒素の充填には専用の機械が必要なので、自宅で行うことは不可能です。
まとめ
以上、お茶の変色を防ぐ方法|緑の緑茶は酸化によって茶色くなるについての解説でした!
お茶の変色の原因は『酸化』でした。酸化を防ぐためには、アスコルビン酸と窒素を使います。
しかし、それは企業レベルの話で、一般家庭で対応することはできません。
お茶を淹れるのは自宅で飲むとき、お茶を持ち歩きたいときはペットボトル、素直に使い分けるのがベストです。