あなたは紅茶の種類をご存知ですか?
『リプトンが紅茶の名前なんじゃないの?』
『よく飲むけど、種類はわからない』
紅茶は日本においても、ポピュラーな飲み物となりました。コンビニに行けば、午後の紅茶やリプトンが販売されています。
『午後の紅茶』はアフタヌーンティーの意味ですし、『リプトン』は本格的に日本に輸入された最初の紅茶ブランドです。紅茶の歴史を知ると、これらの名前も面白く感じることができます。
実は、紅茶が本格的に輸入されるようになったのは、1,970年代以降のことです。わりと最近の出来事ですね。
日本人は多神教ということもあり、海外の文化を上手に取り込みますが、本質的な部分を捉えるのが苦手です。
本来は収穫祭であるハロウィンなどは、その典型例といえます。日本では、完全にコスプレ祭になってますよね(^_^;)
今回は、代表的な紅茶の種類であるアッサムとダージリンについて解説していきます。
ちょっとした知識を得るだけで、今飲んでいる紅茶が一段と美味しく感じられますよ(^^♪
紅茶の種類
紅茶の種類はとても豊富にあります。アッサム、ダージリン、ニルギリ・・・
これらは、紅茶が栽培されている地域の名前に由来しています。
さらにアッサムの中には、マンガラム、ディムコなどの名前もあります。
これらは、紅茶を栽培している茶園の名前に由来しています。
紅茶の名前は地域名、と覚えておけばOKです。
アッサムとダージリンの違い
紅茶の代表格といってもいいのが、アッサムとダージリンです。
両方ともインドで栽培されており、同じ茶の木を使っていますが、その味には大きな違いがあります。
どのようにして、味や香りに差が生まれるのでしょうか?
アッサム|恵みの雨による渋みとコク
渋みとコクが特徴なのがアッサムティーです。悪くいうとクセがありますが、硬水を使用すると渋みは少し抑えられます。
価格が安く、水質が硬水のヨーロッパで広く浸透していきました。
アッサムの歴史
1,823年、イギリス人のブルース少尉によってアッサム種の茶の木がインドで発見されました。
それまでは、茶の木は中国(中国種)にしか自生していないとされていたのです。
この出来事は、紅茶事情に大きな変化をもたらします。
インドでの茶栽培レースが幕を切ったのです。現在の紅茶生産量は、インドが世界一となっています。
これは、アッサム種の発見によるものです。
さらに、インドでの紅茶生産の半分はアッサム産というくらい、有名な紅茶になりました。
世界に流通する紅茶の25%は、アッサムティーとなります。
アッサムの気候
アッサムはインドの東に位置しており、広大な平野が特徴的です。周りにはヒマラヤ山脈、パトカイ山脈があり、それらにぶつかる湿った空気が大量の雨を降らせます。
そして、ブラマプトラという大河がもたらす肥沃な台地が、栄養と水を運んでくるのです。
この、圧倒的な水分が、アッサムティーならではの渋みとコクを作り出しています。
高温多湿で、年間の降水量は3,000mmもあり、夏の気温は30℃を超えます。
アッサムの茶園の広さ・葉の形状・収穫時期
アッサムの茶園は、インドの東に位置しています。
- 栽培面積:約30万ヘクタール
- 葉の形状:OP、BOP
- 収穫時期:3~11月
- 製造方法:ほぼCTC
OPはオレンジペコーといい、先端から2枚目の葉です。葉を粉砕せずに加工するので、日本の煎茶のように針状の形に形成されます。
BOPは、OPをカットした茶葉です。針状ではなく、2~3mmぐらいの大きさになっています。
CTCは、紅茶を大量生産できるようにした製法のことをいい、BOPよりも細かい茶葉になっています。
茶葉のサイズによって抽出時間は異なり、小さいほど短い蒸らし時間で効率的に抽出することが可能です。
ダージリン|高原が作り出すフルーティーな香り
マスカットのようなフルーティーな香りと、爽快な渋みが特徴的なのがダージリンティーです。
インドでの栽培に成功した、中国種の茶葉を使っています。
ダージリンの歴史
ダージリンはネパール語で『雷』という意味があります。1,835年にキッシム王国からイギリスに譲渡され、避暑地として開発されていきました。
ネパールとブータンに挟まれた交易の町としても栄えています。
茶栽培が始まったのは、1,840年ごろからです。
中国の茶生産地の気候とよく似ており、1,860年ごろにはたくさんの茶園が作られました。
ダージリンの気候
ダージリンは、標高2,000mのヒマラヤ山麓にあります。険しい斜面で栽培されており、朝晩の気温差も大きいです。
その気候により、1日に何度も霧が発生しては、ヒマラヤの冷たい風によって吹き飛ばされます。霧が晴れると日光が茶の木を乾かします。
この激しい寒暖差によって、紅茶のシャンパンと呼ばれるダージリンティーが作り出されるのです。
ダージリンの茶園の広さ・葉の形状・収穫時期
ダージリンの茶園もインドの東に位置していますが、アッサムよりは西にあります。
- 栽培面積:約2万ヘクタール
- 葉の形状:OP
- 収穫時期:3~11月
- 製造方法:オーソドックス
オーソドックス製法は、伝統的な製法となります。CTC製法のような大量生産には不向きです。
まとめ
以上、アッサムとダージリンの違い|気候による深い渋みとフルーティーな香りについての解説でした!
アッサムは世界最大の生産量を誇る、キングオブ紅茶です。強い渋みと深いコクが特徴。
ダージリンティーはフルーティーな味わいが特徴で、紅茶のシャンパンと呼ばれています。
この2つを知っておくだけでも、紅茶の知識はとても深いモノになりますよ(^^♪