あなたは、世界中で愛されている飲み物をご存知ですか?当たり前になりすぎて、意外とわからないかもしれません。
それは【お茶】です。
お茶というと緑茶を想像してしまうのが日本人ですが、実は世界のお茶生産量の70%は紅茶です。
中国ではウーロン茶を飲んでいるイメージがありますか?実は、中国は緑茶を飲みます。ウーロン茶を飲むのは台湾です。
このように世界各国で様々な種類のお茶が、その国の文化に合わせて発展してきました。
お茶の木はさぞ多くの種類があるのだろうと思うかもしれませんが、実は使われているのは2種類しかありません。
- 中国種
- アッサム種
たった2種類のお茶の葉。その酵素による発酵時間を変えるだけで、緑茶、ウーロン茶、紅茶が作られているのです。今回はそんなお茶の葉の不思議、酵素の発酵による分類を解説します!
茶(チャ)の葉は全て同じ?
お茶の原料となるお茶の木は【ツバキ科ツバキ属】の永年性常緑樹です。中国種とアッサム種がありますが、雑種を作りやすいので中間型はアッサム雑種と呼ばれます。
植物の葉の事を【チャ】、飲むお茶の事を【茶】と使い分けるのが正しいのですが、分かりやすくするために全て【茶】で説明させていただきます。
中国種が約5cmの葉の長さに対し、アッサム種は約20cmと4倍の長さがあります。
主に中国種が緑茶、アッサム種が紅茶の原料となります。日本で栽培されているお茶は、ほとんどが中国種です。
中国種は寒さに強いので、四季がある日本でも育てやすかったのでしょう。
違いは酵素による発酵時間
お茶の葉の中には酵素が含まれています。この酵素による発酵をいつ止めるかによって、緑茶、ウーロン茶、紅茶に分類することができます。
- 不発酵茶(発酵させない):緑茶
- 半発酵茶(30~70%発酵):包種茶、ウーロン茶
- 発酵茶(しっかり発酵):紅茶
- 後発酵茶(微生物で発酵):ラペソー、ミァン、阿波番茶、碁石茶
酵素の働きを止める方法は【熱】です。日本では蒸すことが多いですが、中国では炒ることが多いです。
このように、熱を使って酵素の働きを止める製造工程を【殺青】または【失活】といいます。
後発酵茶というのは、酵素による発酵を止めた後、微生物によって発酵させる方法です。それでは、発酵の時間差によるお茶の種類を見てきましょう。
不発酵茶|緑茶
不発酵茶は、摘んできた葉をすぐに加熱して酵素の働きを止めます。
葉の色が緑のままなので、出来上がるお茶も美しく鮮やかな緑色になります。不発酵茶|緑茶の種類は以下の通りです。
- 煎茶
- 玉露
- かぶせ茶
- 碾茶
- 番茶
- ほうじ茶
- 玄米地
- 釜炒り玉緑茶
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半発酵茶|包種茶、ウーロン茶
発酵というと何か特別な事をしそうですが、基本的には摘んできた葉を放置します。その間に酵素による発酵が進み、独特の香りがするようになります。
この作業の事を【萎凋(いちょう)】と言います。
半発酵茶とはその名の通り、完全には発酵させていないお茶です。発酵の度合いにより、2つに分けられます。
- 約30%発酵:包種茶(ほうしゅちゃ)
- 約70%発酵:ウーロン茶
包種茶は日本ではあまり聞きなれないお茶ですが、発酵が少ないので色は緑茶に近いです。
- 緑茶(不発酵茶)
- 白茶(弱発酵茶)
- 黄茶(弱後発酵茶)
- 青茶(半発酵茶)
- 紅茶(発酵茶)
発酵は5段階で表すことができ、ウーロン茶は4段階目の青茶に分類されます。有名なウーロン茶は【東方美人】です
発酵茶|紅茶
完全に発酵させたお茶のことを紅茶といいます。日本における紅茶の需要は、緑茶の10分の1程度です。若い世代は気軽にコンビニで買いますが、緑茶と比べるとまだまだ浸透してないようです。
紅茶で有名なのはイギリスですが、実は産地は全く違う場所です。紅茶は産地により種類が異なります。
インド
- ダージリン
- アッサム
- ニルギリ
スリランカ
- ヌワラエリア
- ディンブラ
- ウバ
- キャンディ
- ルフナ
中国
キームン
ダージリンやアッサムは聞いたことがあるかもしれませんが、ほとんど知らないモノばかりです。
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後発酵茶|ラペソー、ミァン、阿波番茶、碁石茶など
後発酵茶は、熱を加えて酵素を失活させた後、微生物によって発酵させたお茶です。黒い色と独特の香りが特徴的です。
日本の碁石茶、阿波番茶、中国のプーアル茶、ミャンマーのラペソー、タイ・ラオスのミァンなどがあります。
お茶を飲むというよりは、食べるといった方がイメージしやすいです。もちろん飲むタイプもあるのですが、別名【漬物茶】などとも呼ばれます。
日本では希少な伝統茶であり、販売経路が少ないので入手しにくい状態です。
しかし、近年は発酵による健康増進作用に注目が集まっており、需要は高まっているのです。
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まとめ
以上、緑茶・ウーロン茶・紅茶は同じ葉|違いは酵素による発酵時間についての解説でした!
それぞれ色・風味が全く違うのに、同じ茶の葉を使っていたのは驚きです。しかし、同じ葉だからこそ、わずかな調整で絶妙に味を変えてくるという奥深さがあるのでしょう。人類史に深く根付いているお茶の習慣も納得です。
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