あなたは非常食を食べたことがありますか?
『食べたこともないし、備蓄もしていない』
『備蓄はしているけど、食べたことはない』
世の中のほとんどの方は、上記に該当するでしょう。ごく少数の人が、実食して味を確認しています。
しかし、実食しただけで大丈夫でしょうか?
災害時はライフラインが寸断される可能性が高いです。ということは、非常食は電気なし、ガスなし、水道なしで食べてこそ真価がわかります。
私は東日本大震災を福島県で経験し、断水で大変な思いをしました。水の大切さを身に染みて感じています。
しかし、停電は免れたので、電気の大切さは肌で感じることはできませんでした。ここからの教訓は・・・・
人は経験しないと理解できない。
という事です。それを踏まえ、非常食を実食するなら災害時と同じ状況でと考えていました。
そこで、我が家の非常食を少しずつ食べてみることにしました。幼い子供もいるので、彼らがちゃんと食べてくれるかの確認も兼ねています。
【停電非常食レポシリーズ】第一弾は井村屋|えいようかん、てんごく|おでん缶でお届け致します。
今回の停電非常食レポートの条件
- 日時:2018年10月8日 17:30 夕食
- 人数:成人男性1名、3歳の幼児1名
- 食事内容:カップ麺、おでん缶、えいようかん(最後にみかんの缶詰を追加)
- ライフライン:電気なし、水道あり、ガスなし
- アイテム:ライト、カセットコンロ、鍋、割り箸、食器、ラップ、缶切り
ちなみに、画像は全て停電状態でライトを利用して撮影しています。
井村屋|えいようかんとは?
あずきバーで有名な井村屋さんが販売している非常食【えいようかん】です。
災害時のみならず登山、ハイキング、スポーツなどの栄養補給に便利な小分けパック。1箱に5本の羊羹が入っています。
味は普通の羊羹とチョコの羊羹の2種類です。
栄養成分
- 内容量:1本60g
- エネルギー:171kcal
- たんぱく質:1.9g
- 脂質:0.1g
- 炭水化物:40.7g
- ナトリウム:2mg
60g中47.0gが炭水化物なので、効率よくエネルギーを摂取することができます。
特徴
パッケージの裏面には災害用伝言ダイヤル(171)の利用方法が記載されています。最近の非常食ではよく見かけます。表には点字もほどこされています。
保存期間
保存期間は5年間です。
口コミ
Amazonレビューでは95%が、☆3以上の評価をしています。
あと2か月で期限切れとなるので、食べてみました。
あっさりとした甘さで程よい口当たりが良く、とても美味しかったです。
甘すぎない上にやわらかいので喉にまとわりつく感じも無く、非常時でも食べやすいかと感じました。
個包装のラミネートパッケージも手で開けやすいです。
ラミネートの包装はしっかりしている感じなので、普通のお出かけ時用に何個か持ってあるくのもいいかなと思いました。
賞味期限は個々の包装にも付いています。引用:Amazon
このノーマル版とチョコ版を購入。
初回は各2個づつ買い、食べ比べをしてみた結果、
ノーマル版を備蓄用にすることに決めました。
ポイントとしては(他の方も挙げてるの含む)
・容量(5本)の割にスペースを取らない。(新書書籍2冊程度厚さで背は低い)
・箱が厚紙ではあるがしっかり目で、開封は切れが込みあり簡単(内容物が物なので最下部は避けるべき)
・反射材の使用、緊急ダイヤルの印刷などとっさに探したい物が使用されている。
・価格対費用効果が高い(5本×5年)
・年齢を選ばない(子供用にビスコも入れてはいますが)
といったところでしょうか。引用:Amazon
実食レポート
開封してみたところ、いきなり切れてしまいました。一般的な小分け羊羹と異なり、中身がギッシリ詰められている感触です。
押し出すにも少し力が必要でした。といっても大人なら全く問題はありません。
切り口はちぎれましたが、無理やりぴっぱったところキレイに切れました。内側には切りやすいような加工がされているようです。
味は美味しい羊羹です。甘さは控えめでくどさはありません。非常食だからと言ってパサパサしたり、硬すぎたりという事もありませんでした。
3歳の次男に食べさせてみたところ、1本ペロリです。おかわりまで催促されました。この非常食は我が家では正解のようです。
味の好みは各家庭、個人差があります。美味しく食べられることが重要です。
こてんぐ|おでん缶とは?
うずらの卵で有名な天狗缶詰さんが販売している非常食【こてんぐおでん缶】です。
栄養成分
- 内容量:280g
- エネルギー:122kcal
- たんぱく質:12.7g
- 脂質:3.8g
- 炭水化物:9.3g
- ナトリウム:1,110mg
内容量がえいようかん4倍以上あるのに、カロリーは少ないです。しかし、たんぱく質、脂質、炭水化物はえいようかんよりもバランスよく摂取できます。
ナトリウムも含まれているので、汗をかきやすい時期にもいいですね。
特徴
おでんなので、食べるには加熱が必要です。もちろん冷たいままでも食べられますが、美味しくはないでしょう。缶の上部は缶切り不要のタイプとなっています。災害時には便利です。
保存期間
保存期間の表示はありませんが、購入時期から考えると5年程度は大丈夫そうです。
口コミ
Amazonでの口コミは、あまりありませんでした。
下Φ67mm ×高さ100.5mm 上Φ65mm 所謂 FOE と言われる缶切り不要な形ですよ
但し缶を開ける際には汁が零れ易いので、確りと平面上で押さえながら開けましょう
12個入(一箱)の価格です適当な器におでん缶の中身を空けて電子レンジ等で加熱すれば即頂けますね
おでんの決め手は蛸と生姜だと思うのですが入って無い処が一寸残念です
「効くなぁ…真夏のおでんは」炎天下で食べたら最高でしょうね「おでん」と言うと温める食品ですので「冬の食べ物」と思われがちですが
成分的には大量の汗を掻く屋外作業とか炎天下な夏でこそ威力を発揮する食品と云われてます
後は賞味期限が何時迄の商品で届くかに期待ですね引用:Amazon
実食レポート
こんにゃく、しらたき、大根、うずらの卵、牛肉、ちくわ、さつま揚げが入っています。つゆまで含めると結構なボリュームで、満足感があります。
- こんにゃく:プリっとした触感が美味しいく、串にささっています
- しらたき:こちらもぷりぷりとして美味しいです
- 大根:味がしっかり染みています
- うずらの卵:可もなく不可もなく
- 牛肉:欠片ほどしか入っておらず、ちょっと残念
- ちくわ:・・・ちょっと、癖がある味です
- さつま揚げ:やわらかく、子供や老人でも食べやすいです
総括として、ちょっと臭みがある感じがします。セブンイレブンのおでんほど美味しくはありません。しかし、非常食と考えれば許容範囲。3歳の息子は卵と大根だけ食べました。
だしは美味しいようで、ぐびぐび飲んでくれました。積極的に買おうとは思いませんが、非常食のレパートリーの1つとしての購入はありだと判断します。
反省と考察|食事で困ったこと
ライトが足りない
今回使用したライトですが、暗い中では光源が複数必要だと感じました。
箸を取りに行く、鍋を取りに行く、缶切りを取りに行く、そのたびに1つしかないライトをキッチンまで持っていきます。するとリビングは真っ暗。
3歳の次男にとって暗闇は怖いようでした。リビング用に加えて、ライトは1人1個あったほうが便利です。
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実はライトは複数持っていたのですが、今回は使用しませんでした。2台目以降はヘッドライト式が便利です。トイレに行くにも、何か作業するにも両手が使えるというのは、格段に作業効率が向上します。
皿をラップで包むのは不正解
各種災害ブックには【皿をラップで包むと、洗い物がでない】と書かれていますが、食器にラップはおすすめしません。
ラップをきっちり貼り付けるのは難しいですし、暗闇ではなおさら困難です。しかも、箸やフォークで傷つけると漏れてしまいます。
今回の検証結果では、やはり漏れていました。もっと単純に、使い捨てのプラスチック皿、プラスチックコップを用意しておいた方が便利です。
軍手がないとやけどする
おでん缶をカセットコンロで温めました。しかし、高温になっており取り出しには布をあてがう必要があります。そんなときのため、軍手を準備しておきましょう。
鍋の淵は注ぎ口が必要
今回は鍋に注ぎ口がないタイプを使用しました。そうすると、カップ麺にお湯を注ぐ際、こぼれてしまいました。
やけどの原因や、カセットコンロの故障にもなるので、淵に注ぎ口のあるタイプの鍋を準備しましょう。
食事量が足りなかった
カップ麺、おでん缶、えいようかんで成人男性、3歳の次男の夕食にしましたが、次男は食事量が足りませんでした。
というのも、メインに選んだカップラーメンが美味しくなかったようです。非常食で怖いのはこの点です。大人なら我慢して食べれますが、子供はそうもいかないのです。
なので、追加でみかんの缶詰を用意しました。
引き出物でもらったものなので、缶切りが必要なタイプです。災害時は少しでもストレスを軽減したいところ。このようなタイプの缶詰は普段の食事で消費して、缶切り不要のタイプを備蓄しましょう
まとめ
以上、停電非常食レポ|【井村屋】えいようかん&【こてんぐ】おでん缶の感想の紹介でした!
えいようかんはコンパクトで保存が効きます。味も美味しく、子供にも人気でした。おでん缶は、まだまだ味に改良が必要。しかし、食事のレパートリーとして加えるのはありです。
今回、電気とガスがない中、暗い部屋で3歳の次男と食事をしてみました。以下は反省と考察です。
- ライトが足りない⇒1人1個あると便利
- 皿をラップで包むのは不正解⇒使い捨ての皿を用意
- 軍手がないとやけどする⇒軍手を準備
- 鍋の淵は注ぎ口が必要⇒鍋の選択ミス
- 食事量が足りなかった⇒子供が好きな食べ物を備蓄
災害時と同じ状況下で非常食を食べてみて、色々なことがわかりました。
これからも、家族を守るため【停電非常食レポート】を続けていきますので、よろしくお願い致します(^^)/
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