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防災

お薬手帳を舐めてませんか?災害時には処方箋の代わりになる重要アイテム

お薬手帳

Kaz / Pixabay

あなたは、お薬手帳を持っていますか?

 

『あんなの薬局がお金儲けで売ってるだけでしょ?』

『いつも薬を飲むわけじゃないから、断ってるよ。』

 

そうですよね、わかります。勧められると素直になれないのが人というものです。

 

薬剤師が勝手に作る

 

というイメージが強いかもしれません。しかし、なぜ彼らはそんなにもお薬手帳を勧めてくるのでしょうか?

その背景には『国』があります。厚生労働省が国民のお薬手帳の所持を推進しているのです。

2018年の時点では・・・

 

薬剤服用歴管理指導料

  • お薬手帳を持参:410円
  • お薬手帳を持ってこない:530円

 

薬局でかかるお金は【お薬手帳を持ってこない人の方が高く】設定されています。これは国が決めた調剤報酬に基づいています。

なぜ、国はお薬手帳を推進しているのでしょうか?それは、災害大国ニッポンの国民を守るためです。お薬手帳を持っていないと、災害時に命を落とす確率が高くなってしまうのです。

処方せんが無い!でも、お薬手帳があれば薬局で薬がもらえる!?

日本は地震大国です。直近で一番の衝撃を与えたのは、東日本大震災でしょうか。それ以降、国民の防災意識は高まり、地震や水害に対する対策の推進が急がれています。

災害時に困ることは数多くあるのですが、その一つが薬です。

 

日本には2種類の薬があります。

  • 処方せんが必要な医療用医薬品
  • 処方せんが不要の一般用医薬品

 

医療用医薬品

医療用医薬品は、病院で医師が処方せんを発行することでもらえる薬です。なので、原則的には処方せんがないともらうことができません。

 

原則という所がいやらしいのですが【医療用医薬品の要処方薬】に限り、処方箋が必要です。

それ以外の医療用医薬品は、薬局の判断で販売することが可能です。しかし、その対応をしている薬局は【99.9%ない】と言っていいでしょう。

そのあたりについては、残り0.1%の薬局が詳しく解説していますので、ご興味あればご覧ください。

処方箋なしで病院の薬が買えるオオギ薬局

 

一般用医薬品

一般用医薬品は、ドラッグストアなどで購入できる医薬品です。処方せんは不要です。

 

このように病院でもらう薬には処方箋が必要なのですが、大規模災害の時は【お薬手帳】だけで薬をもらうことができます。

 

厚生労働省は、熊本地震の被災地での保険調剤について、事後に処方箋が発行されることを条件に、主治医との電話やメモなどがあれば、処方箋なしで調剤可とする診療報酬の例外的な取り扱いを被災地県等に通知した。患者に必要な処方箋医薬品について、大規模災害時などの正当な理由に当たるとして販売できることも都道府県に周知した。

通知では、患者が処方箋を持参せずに調剤を求めてきた場合、事後に処方箋が発行されることを条件に、主治医との電話やメモなどにより、医師からの処方内容を確認できれば保険調剤として扱えるとした。

医療機関と連絡が取れないときに、服薬中の薬剤をなくした被災者で、処方内容が安定した慢性疾患に関する処方であることが薬歴やお薬手帳、包装などにより明らかなときも、保険調剤として認めるとした。ただ、この場合も事後に医師に処方内容を確認することとしている。

引用:薬事日報

 

ただし、これは厚生労働省が通知を出した場合に限ります。お上の許しがなければ、薬局は対応できません。

実際に東日本大震災や熊本地震では、このような通知が出て対応した薬局もあります。前例ができているので、今後はスムーズに発令されるようになるでしょう。

 

北海道地震でも同じような対応をしているかもしれません。

【公式】北海道薬剤師会

 

北海道薬剤師会のHPでは、まだ確認できませんでした。停電しているので対応が遅れているのかもしれません。

ただ、各都道府県には薬剤師会というものが存在しており、その下には市区町村の薬剤師会が組織されています。

時間差はありますが、国の決定事項は町の小さな薬局まで伝達される仕組みが構築されています。

東日本大震災では医療機関が閉鎖した

『いやいや、病院に受診すればいいんでしょ?』

『やっぱり、薬は病院でもらわないと安心できない!』

 

このような甘い考えは、災害時には通用しません。津波がくれば、建物は跡形もなく流されてしまいます。

大きな病院なら骨組みくらいは保てるかもしれませんが、再開する可能性はとても低いでしょう。

小さな町の診療所は、建物が全壊しているかもしれません。医者だって家族がいます。避難する人もいるでしょう。

このように、いつもの病院、いつもの医者に受診できなくなるのが災害です。

お薬手帳がなければ、何を飲んでいるか医者にもわからない

命からがら助かった後も、災害の被害は続きます。幸いにも貴重品と薬を持って逃げることができたとします。そしていつもと違う医者に薬を見せて・・・

 

『先生、これと同じ薬をください』

 

しかし、医者は困ってしまいます・・・なんの薬だからわからないのです。意外かもしれませんが、医者は錠剤1つぶを見せられても、何の薬だかわかりません。もちろん分かる医者もいるでしょうが、ごく一部です。

医者は処方箋を書きますが、実物を見る機会はほとんどないのです。メーカーからサンプルを提供されたりしますが、常日頃から目で見ているわけではありません。

 

その時に大活躍するのがお薬手帳です!

 

薬の名前さえわかれば、なんとか対応してもらえるでしょう。

 

そもそもの大前提なのですが、あなたは自分の飲んでいる薬の名前を覚えていますか?

 

自分の飲んでいる薬の名前を知らない事がおかしいのです。日本は健康保険で医療費が安いので、薬がもらえて当たり前という感覚があります。

当たり前のモノは軽率に扱うのが、人の性です。災害時には、その甘えが命取りとなります。

 

本当に薬がわからなくて困ったときは、薬剤師を探してください。彼らは裸の錠剤だけで、なんの薬か特定する能力を備えています。

まとめ:毎日薬を飲む人は必携のお薬手帳

以上、お薬手帳が災害時に処方せんの代わりになる!というお話でした。普段から継続して飲む薬がある方、自分の飲んでいる薬の名前がわからない方は必携のアイテムとなります。

また、手帳の裏表紙には・・・

  • 血液型
  • アレルギー
  • 持病・・・etc

などを書ける欄が用意されています。万が一、意識を失った時でも、お薬手帳があれば命が助かるかもしれません。

 

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