あなたは怪我の応急手当ができますか?
『そんなひどい怪我をすることはない』
『救急車を呼べば大丈夫』
このように楽観的に考えてはいないでしょうか?それではいざという時に生き残ることができません。
災害が発生すれば、一定確率で必ず怪我をする人がでてきます。それはあなたかもしれませんし、あなたの大事な人かもしれません。
しかし、短時間に大量の怪我人が発生するため、救急医療は追い付きません。救急車を呼んでも、すぐに来ることはないでしょう。
大きな切り傷で、出血がひどかったらどうしますか?適切に止血することができますか?
適切な手当てさえできれば、命が助かる確率が大幅にアップします。今回は災害時の怪我と、その対処法について解説していきます。
- 心肺蘇生法
- 止血法
- 骨折・捻挫
- 切り傷・かすり傷
- やけど
- 熱射病
- 負傷者の搬送方法
大切な人を守るため、必ずマスターしておきましょう。
心肺蘇生法
心肺停止状態は一番深刻な状況です。即、応急手当てを開始しましょう。まずは全体の流れを把握してください。
- 怪我人の意識を確認
- 周囲に協力を求める
- 呼吸をしているか確認
- 心臓マッサージを開始
- AEDを使用
心肺蘇生法というと臆してしまうかもしれませんが、やるべきことは少ないです。落ち着いて行動すれば、誰にでもできます。
怪我人の意識を確認
まずは怪我人に意識があるかを確認しましょう。肩を叩きながら声をかけてください。
周囲に協力を求める
反応がないようなら、周囲に助けを求めましょう。頼むことは2つだけです。
- 救急車の手配(119番)
- AEDの搬送
AEDがどこにあるかは、以下のサイトで調べることが可能です。自宅周辺だけでも確認しておきましょう。いざという時、大事な人を守ることができます。
呼吸をしているか確認
周囲に協力を求めたら、呼吸の確認をします。お腹から胸を10秒ほど見て、動きがなければ呼吸をしていないと判断してください。
心臓マッサージを開始
呼吸をしていなければ、心臓マッサージを開始します。胸の中央に両手を重ね、胸が5cm沈む力で圧迫を繰り返します。圧迫の速度は【1分間に100回】程度です。
感染症防止の観点から、マウスピースがない場合、人工呼吸はしないほうがいいでしょう。
AEDを使用
AEDが届いたら、直ちに電源を入れます。その後はAEDが指示を出してくれるので、従うだけです。電極を2枚貼り、電気ショックをかけます。
電気ショックが必要かどうかの判断もAEDがしてくれます。電気ショックが終わったら、心臓マッサージを再開します。
止血法
人間は3分の1の血液を失うと、生命が危険になります。
直接圧迫止血法
出血部位を直接おさえて圧迫止血する方法です。
1つ条件があり【圧迫に使用するタオルやガーゼは清潔なモノ】を使用してください。
それさえ守れば、どんな部位からの出血にも利用できる方法です。ゴム手袋やビニール袋が手に入るようなら、血液に触れないよう圧迫する手を覆ってから止血しましょう。
間接圧迫止血法
直接圧迫法ができない場合、間接圧迫法を実施してください。出血部位よりも心臓に近い位置を圧迫します。肘から先の出血なら、上腕の内側。膝から先の出血なら太ももの内側。何かで縛っても、手で圧迫してもOKです。
清潔な布が手に入ったら、すぐに直接圧迫法に切り替えてください。
ハンカチ・タオルよりも手ぬぐいが便利!手ぬぐいはハンカチよりも長く、タオル代わりにも使用できます。
骨折・捻挫
骨折した場合、添え木で固定しましょう。骨をまっすぐに固定できれば、何でも構いません。
- 指の骨折:割り箸、ボールペン、ネクタイピンなど
- 腕・足の骨折:段ボール、丸めた新聞、傘、麺棒など
添え木の固定は輪ゴムや粘着テープを利用します。テープなら動かないようにしっかり巻きましょう。
段ボールはギブスの代わりに最適です。腕や足を包むように固定しましょう。骨折は指先まで痛みが出てくるので、長さは指先まで確保してください。
テープがない時は、ネクタイを利用しましょう。着用状態の輪っかのまま、2ヵ所固定します。
切り傷・かすり傷
出血の少ない切り傷、かすり傷は圧迫止血までする必要はありません。傷を水で洗い、清潔なガーゼを当て、包帯、手ぬぐいなどで巻きます。包帯の代わりには、以下のモノが利用できます。
- 手ぬぐい
- ストッキング
- バンダナ
- ネクタイ
- ラップ
簡単な救急セットがあると重宝します。
やけど
水道が利用可能な場合、20分ほど流水で患部を冷やしてください。水道が使えない場合は、ペットボトルの水を利用します。手当の際は以下の点に注意しましょう。
- 衣類の上からのやけどは、衣類を着たまま冷やす
- 水ぶくれは破らない
手のひら10個分の面積を目安に、軽傷と判断します。それ以上の面積にやけどがある場合、すぐに医療機関を受診しましょう。
熱射病
熱射病の応急手当は体の冷却と塩分補給です。
日陰に移動して、仰向けに寝かせましょう。水がある場合、体に水をかけます。水は蒸発する際に外部の熱を奪うので(気化熱)、濡らしたタオルをかけて、うちわであおぐのも効果的です。
意識があるようなら、塩分を補給させます。500mLの水に、小さじ1杯の塩を溶かして飲ませましょう。
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負傷者の搬送方法
負傷者を移動しなければならない時は、以下の方法で搬送してください。
1人で運ぶ
負傷者に意識があれば、普通におんぶしてください。ただし、骨折、内臓損傷がある場合は避けましょう。
2人で運ぶ
- 負傷者に意識があれば、体育座りしてもらいます
- 搬送する人は、両サイドに立ち膝でしゃがみます
- 負傷者の膝の下に腕を通し、しっかり握り合います
- 反対の腕は負傷者の背中でしっかり握り合います
- 負傷者の両腕を肩にかけて搬送します
担架の作り方
意識がない、骨折、内臓損傷などの場合、担架を作りましょう。搬送者2人の上着を利用します。
- 丈夫なツッパリ棒、物干し竿などを2本探してくる
- 2本の棒を握った状態で、上着を脱がしてもらう
- 脱いだ上着を棒に通す
- 反対側からも同様の作業を繰り返す
- 負傷者を乗せて運ぶ
後方の搬送者が負傷者の表情を観察できるように、負傷者の足を進行方向に向けて運びます。
棒や服がない場合、丈夫な板でも代用可能です
災害弔慰金・災害障害見舞金
あってはならない事ですが、身内が死亡したり、失明などの重大な障害を負った時は行政からお金が支払われます。
災害弔慰金の支給
(1)実 施 主 体 市町村(特別区を含む)
(2)対 象 災 害 自然災害
・1市町村において住居が5世帯以上滅失した災害
・都道府県内において住居が5世帯以上滅失した市町村が3以上ある場合の災害
・都道府県内において災害救助法が適用された市町村が1以上ある場合の災害
・災害救助法が適用された市町村をその区域内に含む都道府県が2以上ある場合の災害
(3)受 給 遺 族 ア.配偶者、子、父母、孫、祖父母 イ.死亡した者の死亡当時における兄弟姉妹(死亡した者の死亡当時その者と同居し、又は生計を同じくしていた者に限る。)
(4)支 給 額 ア.生計維持者が死亡した場合 500万円 イ.その他の者が死亡した場合 250万円
(5)費 用 負 担 国 1/2 都道府県 1/4 市町村 1/4災害障害見舞金の支給
(1)実 施 主 体 1に同じ
(2)対 象 災 害 1に同じ
(3)受 給 者 (2)により重度の障害(両眼失明、要常時介護、両上肢ひじ関節以上切断等)を受けた者
(4)支 給 額 ア.生計維持者 250万円 イ.その他の者 125万円
(5)費 用 負 担 1に同じ引用:内閣府
万が一のことを考え、記憶にとどめておいてください。
まとめ
以上、災害時の怪我|身近なモノを利用した応急処置(手当て)の方法を学ぶについての解説でした!
- 心肺蘇生法
- 止血法
- 骨折・捻挫
- 切り傷・かすり傷
- やけど
- 熱射病
- 負傷者の搬送方法
どれもとても大切で、知っていれば大切な人を守れる確率が格段に高くなります。
災害に備え、一度は訓練しておきましょう!
痛みに関しては、鎮痛薬を常備しておくと安心です
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